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築30年の中古住宅は後悔する? 中古住宅を購入する時に気を付けたい注意点
2023年09月11日
築30年の中古住宅は新築や築浅物件に比べると販売価格が安くお買い得ですが、デメリットやリスクも多くあります。
本記事では中古住宅の購入を検討している方のために、築30年の中古住宅を購入するメリット・デメリット、注意点を詳しく解説します。
築30年の中古住宅を購入するメリット
築30年の中古住宅には、新築や築浅の中古住宅にはないメリットが多くあります。ここでは、新築や築浅物件と比べた時の、築30年の中古住宅を購入するメリットを解説します。
物件価格が安い
一般的に一戸建て物件の価値は、建物の資産価値と土地の資産価値が含まれています。
土地の価値は建物の状態に関わらず一定した資産価値が望めますが、建物の資産価値は新築時が最も高く、法定耐用年数である20年〜22年程度で建物の資産価値はほぼゼロとなります。
築30年の中古住宅の販売価格はほぼ土地代のみなので、物件価格が安くなります。
より良い立地の物件が購入できる
新築物件や築浅物件は都心から離れた郊外に多いのに比べ、中古住宅は都心に近い住宅街でも多く見つけられます。
通勤や通学に便利な都心に近いエリア、住みたい街やおしゃれな街として人気のエリア、駅が近くて利便性の高いエリアなど、良い立地の物件にめぐり合いやすいです。
リフォームで自分好みに変えられる
築30年の中古住宅を購入する方の多くは、リノベーションをして住むことを想定しています。
購入価格を抑えられた分、リフォームにお金を費やすことができます。
建売の新築物件や内装がまだそれほど傷んでいない築浅物件よりも、思い切ったリフォームがしやすくなり、自分好みの家作りが可能になります。
築30年の中古住宅を購入するデメリット
格安で購入でき自分好みにリフォームしやすい中古住宅ですが、当然デメリットも多くあります。
ここからは、築30年の中古住宅を購入するデメリットについて解説します。
リフォーム費用がかさむ可能性がある
築30年の中古住宅となると、壁紙やフローリング、水廻りの設備など、目に見えるところばかりが古くなっているわけではありません。
水廻りのリフォームを進めていくうちに水漏れ被害を見つけたり、シロアリ被害が進行していて柱や梁などの構造自体に問題が見つかったりなど、想定していたよりも大規模な修繕が必要になるケースも少なくありません。
間取りが古く生活スタイルに合わない
30年前と現在ではライフスタイルも変わってきており、住宅の間取りにも反映されています。
例えば、築30年前後の住宅では現在の主流である対面式のキッチンは少なく、独立型やセミオープンのキッチンが多くなっています。
また、リビングとダイニングが分かれていたり、二間続きの和室があったりと、小さな部屋に細かく分かれている傾向があります。
内装のリフォームをしていても間取りそのものが現在のライフスタイルに合わず、住みにくいと感じることがあります。
設備が古い
築30年の中古住宅ではトイレ・お風呂・キッチンなどの水廻りの設備や冷暖房設備など、あらゆる設備が古くなってきています。
全ての設備を撤去して新しいものに交換するのであれば問題はありませんが、部分的なリフォームだけで古いものを使い続ける場合は、不便さを感じることが多いです。
築30年の中古住宅購入で後悔しないための注意点
築30年の中古住宅を購入する際には、どんなことに注意したら良いのでしょうか?
後悔しないためにも、以下の点に注意しましょう。
リフォーム費用も含めた予算を立てる
築30年の中古住宅を購入する際は、物件の購入価格にリフォームにかかる費用を含めた予算を立てましょう。
新築物件が5,000万円なところ、中古住宅が3,500万円だからと言って飛びついたところで、リフォーム代に2,000万円かかるのなら、新築物件を購入した方が安くなります。
ローン計画をしっかり立てる
一般的に中古物件は、新築の物件よりも担保評価額が低くなるため、住宅ローンの審査が厳しくなる傾向にあります。
築30年と古い物件では修繕の必要性などのリスクも高いため、頭金を多く積まないと融資が通らないケースが多いです。
また、中古住宅では耐震基準に適合している住宅でないと、住宅ローン控除を受ける条件からは外れてしまいます。
築30年の中古住宅ではローン審査が厳しくなること、住宅ローン控除が受けられない可能性があることを考慮して、余裕のある資金計画を立てるようにしましょう。
ホームインスペクション(住宅診断)をする
築30年の中古物件を購入契約する前に、建物の劣化状況や設備の不具合などを細かく調査するホームインスペクションを行いましょう。
ホームインスペクションでは、柱や梁などの構造、屋根や外壁などからの雨漏りや水漏れ、給排水管や換気ダクトなど、見ただけでは分からない建物の状況を把握でき、大規模な修繕が必要となる欠陥も見つけることができます。
耐震性をチェックする
1950年に制定された耐震基準は、1971年、1981年、2000年に大きな改正が行われています。
特に2000年の耐震基準改定では木造建築を対象とした新基準が定められており、この基準を満たすことが住宅ローン控除を受ける条件にも入っています。
築30年以上の物件はこの2000年基準に達していないことが多いため、耐震診断を受けてみるのがおすすめ。
耐震基準を満たしていない場合は、床や壁の補強を行う耐震リフォームを検討してみましょう。
まとめ
築30年の中古住宅は建物の資産価値がほとんどなく土地代だけの格安価格で購入できる一方で、ローンの審査が厳しかったり、快適に暮らすためには多額のリフォーム費用がかかったりなど、デメリットも多いです。
住宅購入を後悔しないためにも、築30年の中古住宅を購入するデメリットやリスクをしっかり把握して、注意深く物件を選ぶことが大切です。