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上りやすい階段の勾配とは?上りにくい階段ならリフォームも可能!
2023年07月15日
階段の勾配は戸建て住宅の快適性を大きく左右する要素です。
これから戸建て住宅を建てる人にとって、階段の勾配は注意すべきポイントの一つです。
本記事では階段に関する専門用語や建築基準法で定められた階段勾配、上りやすい階段とはどのようなものか、階段リフォームの内容についてわかりやすく解説します。
階段に関する専門用語を確認
階段勾配について理解するには、階段に関する専門用語を確認する必要があります。
今回は数多くの専門用語の中から階段の利便性に関係する「踏面」「蹴上げ」「踊り場」の3つの用語について解説します。
踏面
踏面は「ふみづら」と読みます。
階段の足をのせる部分(踏み板)の上面をさす用語です。
踏面が狭いと足をうまく乗せることができず、上り下りが不便になります。
その反対に、踏面が広い階段は足場が安定するので上りやすくなります。
踏面に使用される素材には木・タイル・石板があります。
タイルや石板は屋外の建造物に多用され、木は一般住宅内の階段で使用されます。
タイルや石板は強度に優れているため、公共建築物の内装でも使用されます。
蹴上げ
蹴上げは「けあげ」と読みます。
階段1段の高さのことで、蹴上げ低いと上りやすい階段になります。
しかし、1段あたりの高さを稼げないため、段数が多く長い階段となります。
蹴上げが低い階段の代表が小学校の階段です。
戦前に定められた蹴上げ寸法の16cm以下が今でも基準として機能しています。
踊り場
踊り場とは、階段の途中に作られる比較的幅が広い平坦面のことです。
階段の方向転換や小休止するために作られるもので、大型商業施設や学校の階段で多用されています。
一般住宅でも折れ曲がるためのスペース確保や安全性向上のために踊り場が設置されます。
これがあることで階段の上り下りの負担を軽減できます。
建築基準法に定められた階段寸法の基準と急勾配のリスク
建築基準法では、階段寸法の基準を以下のように定めています。
・蹴上げ:23cm以上
・踏面:15cm以上
・階段と踊り場の幅:75cm以上
この基準で階段をつくるとかなり不便な階段となります。
不便な理由は2点あります。
1点目は踏面が狭すぎることです。
日本人の足のサイズの平均は男性で25cm、女性で23cm、全体平均で24cmです。
踏面が15cmしかない階段ではつま先立ちで上ることになるので、安定性がよいとは言えません。
そのため、疲れやすく上り下りしにくい階段となります。
2点目は勾配がきつすぎることです。
踏み板15cm、蹴上げ23cmの階段をつくると階段勾配は60度に達します。
この角度では足をかなりあげて上らなければならず、かなり負担がかかります。
勾配がきつい階段は上り下りが大変なだけではなく、安全性の面でもリスクがあります。
危険度が増すのは物をもって上り下りするときです。
足元が見にくく、足を踏み外してしまい転落する可能性があるからです。
また、勾配が急であれば転落途中で止まらず、一気に階下に落ちてしまうため大けがしてしまうかもしれません。
上りやすい階段とは?
安全性が高く上りやすい階段にするには、どのように設計すればよいのでしょうか。
安全性を高めるには踏面を広くし、蹴上げを低くして階段の勾配を低くすることです。
蹴上げの2倍に踏面の長さを足して60cmになる寸法にすると、上りやすい階段になるとされています。
蹴上げが15cmであれば踏面は30cm必要です。
同様に蹴上げが20cmであれば踏面は20cmとなります。
勾配に関しては30~35度であれば上りやすい階段とみなされます。
その角度にするのであれば、蹴上げ16cm、踏面28cmとなります。
先ほど挙げた小学校の階段基準に近い階段寸法ですので、高齢者でも上り下りしやすい階段勾配にできます。
階段はリフォームできる
自宅が比較的古く、階段勾配が急なときは階段リフォームも選択肢の一つとなります。
リフォームの段取りは以下のとおりです。
・既存階段の撤去
・階段数や勾配の決定
・1階や2階の天井・床部分の解体・新設
・間取り変更
他の部分のリフォームと比べるとかなり大掛かりになりますので、数百万円単位の費用を見込んだ方がよいでしょう。
金額が大きくなりますので、1社だけで見積もりを取らず複数社を訪れ、相見積もりを出してもらう方がコストを安くできます。
まとめ
今回は階段に関する専門用語や建築基準法で定められた階段の基準、上りやすい階段の定義などについて解説しました。
建築基準法に定められた基準で階段をつくるとかなり急勾配の階段となって生活に支障をきたすかもしれません。
年齢を重ねると階段の上り下りがどうしてもつらくなります。
新しく住宅を建てるときは将来的な利便性を考え、勾配の緩い階段に階段にし、年をとっても安全に使える階段にした方がよいでしょう。