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キュービクルの点検は義務!費用相場・業者の選び方についても解説
2022年12月27日
「キュービクルの点検って年に何回しないといけないの?」
「キュービクルの点検費用っていくら?」
「キュービクル点検業者の選び方も知りたい」
キュービクルとは、発電所から送られてくる高圧電気を低圧電気に変換する設備です。
この設備があれば、電力会社の変圧器を使用しなくてもいいので、その分電気代を節約できます。
ただし、キュービクルを設置すると、定期的な保安点検が義務付けられます。
この記事では、キュービクルの点検内容から、点検業者の選び方までを解説します。
これからキュービクルの保安点検をお考えの方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
キュービクルの点検内容|電気主任技術者によって行う
キュービクルは、電気主任技術者によって点検を行うと義務付けられています。
点検方法は、自社で電気主任技術者を雇用するか、外部委託承認制度を利用し、資格を所有した点検業者に依頼するかのどちらかです。
義務付けられている点検は、次の2つです。
● 月次点検
● 年次点検
詳しくご紹介します。
月1回の月次点検|電流が流れた状態でチェック
月次点検は、毎月1回以上行うと法令によって定められています。
月次点検の内容を、いくつかピックアップしてみました。
● キュービクル全体に損傷がないか確認
● キュービクル周辺に危険物がないか確認
● 電流が漏洩していないか確認
● 各装置が正常に動作しているか確認
● 各部品の劣化や損傷を確認
● 異臭・異音がしていないか確認 など
月次点検は、電流が流れた状態で行われます。
年に1回の年次点検|運転を停止してチェック
年次点検は、毎年1回以上行うと法令によって定められています。
年次点検は、月次点検で行う作業のほかに、次の作業も行います。
● キュービクル全体を目視で確認
● 絶縁抵抗を測定
● 蓄電設備の点検
● 非常用発電機の動作確認 など
年次点検は、運転を停止した状態で行われます。
キュービクルの点検をきちんと行い波及事故を防ごう!
キュービクルの定期点検をきちんと行わなければ、次の危険が生じる可能性があります。
● 停電事故
● 波及事故
● 感電・火災
停電事故により、工場の機械がストップしてしまうと、その分売上が減ってしまいます。
自社の問題だけで済めばいいのですが、波及事故による損害賠償が発生する可能性もあります。
波及事故とは、停電の影響が施設外にも広がる点です。
例えば、周囲に病院や交通機関、工場などがあった場合、停電の影響で人命・交通・生産に影響を及ぼします。
仮に波及事故が起こり多額の賠償金を請求されても、定期点検をしっかり行っていれば、賠償額を減らせる可能性があります。
しかし事故により、人命が失われてしまったら、いくら賠償金を支払っても、償いきれません。
このような危険が発生するリスクを減らすためにも、義務付けられている保安点検を必ず受けましょう。
キュービクルの点検費用相場|受電の容量によって変わる
キュービクルの点検費用は、受電設備容量によって変わります。
点検費用の相場を一覧表にまとめてみました。
受電設備容量(KVA) | 点検費用相場 |
100 | 9,000~14,000 |
200 | 12,000~17,000 |
300 | 17,000 前後 |
400 | 19,000 前後 |
500 | 19,000 前後 |
600 | 22,000 前後 |
700 | 23,000 前後 |
800 | 25,000 前後 |
点検を依頼した業者によって、金額が変わってくるので、確認が必要です。
キュービクルの寿命と修理費用|定期的な点検が大事
キュービクルの寿命には、「法定耐用年数」と「実用耐用年数」の2種類あります。
法定耐用年数とは、減価償却に関係する年数で、この年数が過ぎても使用に問題はありません。
実用耐用年数とは、製造したメーカーが定めた期間で、実用できる年数です。
ただし、環境によっては、実用耐用年数以上に使用できます。
キュービクルは各部品ごとに、法定耐用年数と実用耐用年数が設定されています。
ほとんどの部品の法定耐用年数は、10~15年で設定されており、実用耐用年数は、製造メーカーにもよりますが、15~20年で設定されています。
また、大がかりな修理が必要となった場合の、費用相場は次の通りです。
修理内容 | 費用相場 |
高圧真空遮断機交換 | 50万前後 |
高圧負荷開閉機交換工事 | 25万前後 |
PAS交換工事 | 45万前後 |
UGS交換工事 | 90万前後 |
高圧ケーブル交換工事 | 30万前後 |
定期的なメンテナンスを行うと、部品の故障を防ぎ、寿命を延ばせます。
キュービクル点検業者の選び方|緊急対応で事故防止
キュービクル点検を行う際は、次のような業者を選びましょう。
● 口コミの多い業者
● アフターフォローがある業者
● 緊急時は24時間体制で駆けつけてくれる業者
口コミの多い業者は、それだけ実績が豊富なのです。
実績が豊富な業者は、技術力に定評があるので、信頼して点検を任せられます。
また、キュービクルの故障は、大きな事故につながる可能性があります。
そのため、緊急時にすぐ駆けつけ、処置してくれる業者を選びましょう。
まとめ
キュービクルの点検をきちんと行うと、事故を未然に防げるので、部品の寿命を延ばせます。
事故による賠償請求をされず、修理費も減らせるので、長い目で見れば節約になります。
優良な点検業者を選び、安心してキュービクルを管理しましょう。
この記事が、これからキュービクルの点検をお考えの方の参考になれば幸いです。