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住宅電気工事費用の目安は?作業の流れと注意点
2022年08月29日
日常生活に欠かせないインフラの1つが電気です。
住宅の中ではさまざまな電気機器が利用されますよね。
これらを利用するために必要なのはコンセントなどの電気設備でしょう。
住宅で電気を使うための工事が住宅電気工事です。
住宅電気工事にかかる費用の目安や作業の流れについてまとめます。
住宅用電気工事の種類
住宅の壁や天井裏、床下なのにはさまざまな電線が隠れています。
それぞれの用途に合わせて配線されていますが、その用途は次のように分けられます。
・配線工事
・照明器具工事
・空調工事
・通信関係工事
どのような工事かを具体的に解説します。
配線工事
配電線から送られてくる電気を住宅内に引込、分電盤まで接続するのは電力会社が担ってくれます。
分電盤から先の配線は、それぞれの住宅の所有者が責任をもって実施しなければなりません。
それぞれの居室や消費電力が大きな電気機器専用のコンセント毎の回路からケーブルを引き、コンセントまで配線する工事を実施します。
もちろん配線しただけでは電気が使えませんので、配線工事にはコンセントの設置が付随します。
配線工事は新築住宅の場合なら1式50万円前後が相場です。
壁や断熱材などが貼られる前の工事となるためスピーディーな施工が求められます。
一方既設住宅の場合はすでに壁がある場所に配線する必要が出てくるため難易度が上がります。
例えばコンセントが少なく増設したいという場合で分電盤から配線すると工事費用だけで5,000~10,000円程度はかかるでしょう。
使うケーブルの量が少なければそれだけ費用は抑えられます。
より効率的に敷設できるようコンセントの配置などを考えると価格が抑えられます。
もちろん設置するコンセントの数が少なければそれだけ費用は抑えられ、数が増えれば費用が高くなります。
照明器具工事
照明器具には建物に据え付け固定されているタイプのものと、プラグなどで取り外し可能なものがあります。
住宅用電気工事で照明器具工事に該当するのは、据え付けられ固定されているタイプの照明を設置する工事です。
照明器具に電気を供給する電線を配線する工事は「配線工事」に含まれます。
照明器具工事は配線されている電線に照明器具を繋ぎ、器具を固定する工事です。
取り付け部分に十分な強度があるかなどを考慮しながら設置していきます。
取り付ける照明器具が多ければそれだけ費用がかかります。
一般的な照明器具の場合なら、1つあたり1,500~5,000円ほどが費用目安となります。
シーリングファンが付いた照明や複雑な照明器具の場合はより高額な費用がかかるでしょう。
もちろん、工事費用なので照明器具本体の費用は別途必要です。
空調工事
一般的な住宅の場合の空調工事はエアコンの設置作業となるでしょう。
エアコン専用のコンセントがすでに設置済みであれば、本体の取り付けと屋外機の設置などが主な工事内容です。
エアコン設置工事費用は対応畳数によっても異なります。
12畳程度までなら10,000~13,000円程度、14畳以上の場合は13,000~17,000円程度になるでしょう。
室外機を置く場所が特殊なケースや、本体から室外機までの距離が遠い場合には追加料金が必要です。
エアコンの設置は新築工事でも完成に近い状態で実施されますが、このときに配管用の穴が開いていない場合には別途穴あけ費用もかかります。
配管の見た目を整える化粧カバーの取り付けも別料金です。
前もってエアコンの取り付けが分かっているときには、設計段階で配管用の穴を開けておくことや、エアコン用専用コンセントの設置、室外機の設置場所の確保などをしておくと費用が抑えられます。
通信関係工事
以前であれば通信関係設備といえばテレビのアンテナ線、電話線、インターフォンなどでしたが、今はLANケーブルの敷設やケーブルテレビ用の光ケーブルの敷設などが考えられます。
これら通信関係の工事は一般的な電気工事とはやや異なる部分があります。
配線工事や照明器具工事、エアコン工事は「強電工事」で電気工事士が担います。
ですが通信関係の工事は「弱電工事」といい通信系の工事資格を持つ人でなければ担えません。
もちろん電気工事士の資格も通信系の工事資格も持っている人なら問題はありませんが、強電工事のみ取り扱う電気工事店では施工できない点は注意が必要でしょう。
また強電工事は新築住宅の施工費用に含まれている場合が多くなりますが、弱電工事は別料金になっている場合があります。
地上デジタルアンテナの設置工事なら35,000~40,000円程度、LANケーブルの端末処理なら1カ所4,000~5,000円程度が目安でしょう。
作業の流れと注意点
住宅用の電気工事では、住宅の構造により作業の流れがやや異なります。
新築木造住宅の場合
木造住宅では内装工事が始まる前に配線作業を実施します。
壁ができる前なら、万が一配線ミスなどがあっても手直しが可能です。
分電盤から各部屋へ分配する電力の調整や電圧の調整も実施します。
新築RC造住宅の場合
分電盤から各部屋へ分配する電力の調整や電圧の調整も実施するのは木造の場合と同じです。
ですがRC造の場合配線はコンクリート内に埋設するため、配線ミスがあっても手直しが困難です。
配線にミスがないかのチェックを確実に実施することや、経験豊富な作業者による施工などが必要でしょう。
まとめ
壁や天井裏、床下などに隠れている電気配線は普段見えないだけにどのようになっているのか、工事にどのくらい費用がかかるのかが分かりづらい部分です。
新築住宅の場合には内装ができる前に配線することで、きれいに壁内に収まります。
内装工事に入ってからでは手直しは大変です。
また増設も手間がかかるため、設計段階で必要と思う分よりも多めにコンセントの設置を計画しておくとよいでしょう。